この本は脳科学者の苫米地さんが脳科学、言語学をはじめとした社会学の観点から信仰心とはどのようなもので世の中にどういう影響を与えているのか、これから先どのように文明を築き上げていのか書かれています。まず最初に神とは何かについて書かれています。
神とは?
自分の力ではどうにでもならない時に人は神様にお祈りをします。ではその神とは何なのか、それは二つの観点から述べることができて、一つ目が神が本当に存在しているということを前提としている観点で、二つ目が神は実際には存在せず、人間の脳の中で作られているという観点です。両方に共通する部分は二つとも脳味噌を介して存在していることが挙げられます。簡単にいうと、脳味噌に神が入り込んでしまえば両者に相違はないのです。それではなぜ人間は神を作り出すのでしょうか。それは人間が不完全な情報システムだと自覚し、さらに根元的に死の恐怖が存在することにも起因します。死の恐怖は遺伝子にプログラムされています。しかしその死は自分の権外の出来事なのでそこに完全世を求めて紙を作り出したのです。
感想
自分の力が及ばない現象には確かに何者か完全性をもった何かに祈るということは経験があります。そもそもなぜ祈るのでしょうか、それは人間は根元的に完璧主義なところがあるのではないかと考えられます。何か予定が狂ってしまえば苛立ち、ああすれば良かったなどと後悔の念を抱きます。理想があって、その理想と現実が乖離している場合にこの差を何とか埋めようと必死にもがく生き物なのでしょう。この本でこの世の中は決定不確実、つまり確率的にできている問いのを見ました。時間や空間までもがたまたま出来上がり、宇宙誕生から今日までの全てがたまたまの上で成り立っている、そんな中で人間はこうありたい、こうであって欲しいという願いを抱く生き物であり、その決定不確実なものに対して真っ向から「たまたま」反抗しているのです。その思いが国家やお金、会社、家族、など抽象的なものを作っていき、現在の文明があるというところに非常にロマンを感じました。
こんな状況だけど上京は問題なさそうかい
アタボーよ